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Complex

社長である義父は理系大学卒の技術屋さんでした。

 経理や総務を担当する義母は会社の要。

義兄は理系大学卒でありながらも体育会系のノリで営業もこなし次期社長らしく会社の顔です。

夫だった人は性格の可愛さもあって、いつまでも社長のボン扱いで工場で使いっぱしりさせられていました。

 

義母は仕事人としても優秀でしたが 地域活動にも活発な方で 工場の事務所にはいつもご近所の方々が屯していました。

そして義姉は自宅で書道教室を開いていました。

お嬢様系短大卒でおっとりした大人っぽい美人さんの義姉は義母の自慢で、二人はとても仲良しでした。

義母の社交場でもある1階。

義姉の教室でもある3階。

そんなビルの2階でワタシだけが鬱々とつまらない毎日を過ごしていたのです。

 年上の奥様達や生徒さん達に気の利いた挨拶ひとつできない嫁。

 手に職のひとつもなく、かといって家事が得意ってわけでもない嫁。

でも、婚家の人はみんなが「イイヒト」だったので

なにひとつ嫌みを言われることもなく 指図のひとつも受けたことはありませんでした。

 

 イイヒトなのに好きになれない。 だったら、悪いのは自分。

 何も出来ないコンプレックスで被害妄想に陥ったワタシは、 出来すぎた家族の中で一番身近で唯一対等に話すことが出来た夫にあたりました。

 理不尽な怒りをただ受け止めることしか出来なかった夫に 申し訳なかったなと、今なら思えます。

 でも当時のワタシにとって 自分の感情を正当化するためには 夫を敵と思うしかなかったのです。

Battle

つまらないことでたくさんケンカしました。

 

一例を上げましょう。

 

その当時ワタシは「週間少年ジャンプ」にはまってました。

それは24時間営業のコンビニにて、日曜深夜になると買えていたのです。

ある冬の日曜深夜のことです。

11時頃から雪が降り出しまして12時すぎになるとちょっと積もりだしたんですよ。

彼は軽く飲酒しておりまして大事な新車は雪道を走るのにはちょっと厳しいスポーツカー。

この状況にもかかわらず、ワタシはすぐにジャンプが読みたかった。

歩いてでも買って来い!と無理を言うワタシ。

(ジャンプを買いに行くとわかってるはずなのに)お酒飲むアンタが悪い。

あんな使えない車を買うアンタが悪い。

 

そりゃ、どんなに温厚な相手でも怒るはずです。

それでもワタシは折れませんからケンカになるのがアタリマエですな・・・。

 こんなバカなワタシを「若かった」という言い訳だけで許せるはずもありません。

今でも申し訳ないと思っておりますよ、ホント。

Abuse

元夫な人ははっきり言ってモテないタイプの人です。

当時ハタチのワタシは公道系レーシングチームのアイドル・・・というか「おもちゃ」くらいか・・・で

彼は一番高価な車に乗っていました。

結婚した理由はきっとそれくらいのこと。

 

なんの取り柄もメリットも持ってないワタシとの結婚なんて元から、彼の両親にとっては腹立たしいものでしかなかったでしょう。

でも、ちょっとお馬鹿な、だからこそ可愛い次男のワガママを彼の両親はすぐに受け入れました。

派手な結婚式も新婚旅行も全てが彼の両親によって決められていました。

新居は工場の敷地に建てた新築のビル。

一階が事務所。二階に私たち夫婦。三階は兄夫婦。

外階段の完全別居とはいうものの、玄関の出入りは元より生活雑音のせいで行動が筒抜けといった感じで

プライバシーなんてなかったに等しいです。

Reason

別れることになった直接の理由は

「性格の不一致」っていうのでしょうかねぇ。

 

彼を愛せなくなったワタシは毎日悪態をついて温和な彼もついにキレて暴力を・・・

 

でもまぁ、体育会系の彼に「女を殴る」なんて選択肢はないのでひたすら殴られたのは壁でしたね。

あちこちに穴のあいた壁が修復不能な関係を物語っておりました。

今となってはそもそも始めから彼を愛していたのかどうかさえ疑問です。

Environment

生家は貧乏でした。

ワタシが小学4年生の時からずっと、父は入退院を繰り返していたので仕方ないのですけど。

そして、婚家はお金持ちでした。

一家で工場経営。町の名士だったのです。

彼は気楽な次男坊。

当時ワタシの取り柄は「若くて可愛い」くらいのものでした(笑)

ほんとに何も知らなかった。

自分のことさえわかってなかった。

今なら上手くやっていけるのかなぁとも思うけど当時のワタシでは、どう考えたって上手くいくわけがないなぁ。

離婚は当然すぎる結果でした。